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視覚芸術家ソ・ダソムの連載 「Texture」第十回

韓国の友人アーティストのソ・ダソムから、毎月どんなテーマで原稿が届くかを楽しみにしているのですが、今月は届いた瞬間にファイルを開いてすぐに読み終えてしまいました。今月のテーマは「ドラマ」です。私も大好きなドラマが取り上げられていたので、そうだよね、そうなのよ!とうなづきながら原稿を読みました。ダソムがおすすめのドラマの中で、読者の皆さんがまだご覧になっていないものがあったら、強く視聴をお勧めしたい作品ばかりです。暑さが落ち着いて、夜の時間が少しずつ長くなってきた9月。秋の夜長にぴったりなドラマたち。では、どうぞ。

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英語では「シリーズ」韓国では「ドラマ」または「連続ドラマ」と呼ばれる韓国のドラマは、一種のコングリシー(韓国英語)で、連続してドラマが放映されるものなので、連続ドラマの方が正しい表現のようだが、いつの頃からかよく呼ばれてきたありふれた名称は「ドラマ」だ。韓国では、連続ドラマはとても昔から人気があった。 今はYouTube、様々なOTTチャンネルなど、放送局も媒体も以前とは比べ物にならないほど多様化している。私が小学生だった頃、韓国の1990年代は、多くの人が口をそろえて韓国の大衆文化が花咲いた時期だと言う。その時代を代表するアイコンとして多くの人がヒョン・ジニョン、ソ・テジを挙げ、キム・ガンモ、シン・スンフンのような代表的なバラード歌手も、長い間、多くの愛を受けた。1990年代末から2000年代に入ると、ソン・シギョンやブラウンアイズ(現ブラウンアイドソウル)、ドランクンタイガー、ダイナミックデュオのような、バラード、R&B、ヒップホップなど様々なジャンルが愛され、その他にはH.O.T、SES、Fin.K.L.(フィンクル)、Sechs Kies(ジェックスキス)、god(ジオディ)など第一世代のボーイズグループ、ガールズグループなどが大きなファンダムを形成して人気を博した。その時代から今まで約20年の間、数多くのアイドルの誕生と世代交代があり、現在は第4世代と呼ばれるガールズグループが大活躍している。ここで知っておくべきことは、アイドルだけが世代交代を成し遂げたわけではなく、アイドルが好きだった青少年または若い人たちも時間が経ち、今は30〜40代あるいは50代の大人になり、今アイドルになりたいという若い練習生の親世代になったので、より積極的な支援と理解がなされているということと、その支援に力を得て、ますます生まれ持った能力の、また多くの準備が整った練習生が増えたということが一つの明確な環境変化である。

小学校の頃から月火、水木、週末など毎週ドラマが放映される時期によって分類されたシリーズがそれぞれ人気があり、そのドラマが16話の場合は「ミニシリーズ」という名前で放映された。ただ呼びやすいため「ドラマ」という通称だったが、面白いシリーズが「ミニシリーズ」だと回を重ねるごとに残念だった記憶がある。いくつかの本当に人気のあるドラマが放映される時は、通りに人がいないと言われるほど、当時のドラマの人気は凄かったが、今のようにチャンネルが増えた後とは異なり、視聴率が50%に迫るドラマもあったと記憶している。このような現象は、大衆音楽アルバムの販売量の推移にも似ていると言えるが、アルバム販売量、つまりCDを基準に100万枚が人気の尺度であり、歌手としての成功の判断基準であった90年代を過ぎ、現在はCDを利用したオフライン音楽鑑賞よりデジタルファイルを活用した鑑賞がトレンドであるため、歌手もシングルアルバムやデジタルアルバムをメインに、正規アルバム前に1、2曲程度を実験的に発売する場合が多い。あえて比較点を探すために韓国の大衆音楽もある程度言及したが、今回は私が面白く見た韓国のドラマについて、もう少し話をしようと思う。

韓国におけるドラマの役割

本題に戻り、先ほど話した大衆歌謡とドラマを比較する一つの比喩を挙げると、韓国で大衆歌謡の人気は時期と対象を正確に覚えているほど、明確な対象がある青少年の友達のような存在だと表現できるとするなら、私の記憶の中のドラマ、連続ドラマはもう少し繊細で、人生の一部分のような、家族のような存在ではないかと考えてみた。
実はこのような比喩を思い浮かべたことは今までなかったが、今回、人々と大衆音楽、そしてドラマの関係性について考えてみると、ドラマと大衆の関係がもう少し家族的だと思うのは確かなことだ。私の経験に照らし合わせると、子供の頃、両親、兄と一緒にドラマを視聴した記憶が多いのだが、代表的なものとして覚えている作品は、日曜日の朝に放送されたMBC『一屋根三家族』 (1986年11月09日 〜1994年11月13日)だ。ソウルを背景に、文字通りひとつ屋根の下に三家族が集まって暮らす、韓国庶民の住居形態である「多世帯住宅」を背景に、隣人たちが互いに葛藤し、和解しながら、平凡だけれど温かく生きていく物語を描いたコミックタッチのドラマだ。8年間放送されたこのドラマは、老若男女を問わず全世代を巻き込むような素材と物語が満載で、このような家族的な共感感情を基に大きな人気を集めることができた。

もう一つの記憶に残る作品は、KBS2『浴場屋の男たち』(1995年11月18日〜1996月9月1日:全83話)だ。現在も活発に活動されている元老俳優であるイ・ソンジェとカン・プジャが夫婦役で出演し、その夫婦が30年間、銭湯を運営しながら娘3人と息子1人を育て、彼らがまた結婚し、そこからまたドラマが生まれていく。各キャラクターの異なる世界観で、それでも同時代を生きる社会の中で繰り広げられる人々の関係と状況を演出した作品で、今見ると非常に家父長制的で、今の時代とは非常に異なる面を見つけることができる。放送当時はあまり感じられなかった、韓国社会の様子がそのまま描かれていて、不思議な部分もある。どちらの作品も、その時代を反映した庶民または中産階級の生活と、様々な家族の形態と大家族の中で起こる人間関係などを面白いエピソードと共に描いているが、このようなドラマが人気を集めることができた背景には、一緒に暮らす様々な家族が親密になり、時には嬉しくなったり、また困惑したりするエピソードが、視聴者に共感を与えたという点、そしてその共感を一緒に楽しむ家族全員がそれぞれの目線で視聴できる、大家族の中の広いスペクトルの世代が出演する家族ドラマだったからだろう。『銭湯の男たち』は、有名な脚本家(キム・スヒョン)とプロデューサー(チョン・ウリョン)の出会いでもあったが、イ・スンジェ、コ・ドゥシム、ユン・ヨジョン、キム・ヒソンなど、現在も活躍している人気俳優も多く出演し、当時の人気は相当なものだったと記憶している。

もう一つ、以前の韓国ドラマを考えてみると家族的な感覚を思い起こさせるのは、当時は今のようにテレビやテレビに代わって役割を果たすことができるすべての電子機器が一般的でなかった時代だったため、1つまたは2つのチャンネルを家族を構成する全員が共感し、共有できる文化がはっきりしていたということを思い出す。媒体の種類と対象が多様化した今、このような部分は弱体化したり消えたりしたが、1990年代当時はこのような物理的要素と感情的な要素が合わさり、ドラマは家族のコードが一緒に動くジャンルだったことは確かだ。先に話した1~2つの代表的な例で、また私個人の主観で韓国ドラマと文化全体を語ることはできないが、私の経験から推測してみた。

おすすめの韓国ドラマ

子供の頃、家族と一緒に自然に見ていた連続ドラマではなく、私が成長し、自分の意志を持って見て、また一番好きなドラマとして最初に挙げる作品はSBS『恋愛時代』(2006年4月3日〜2006年5月23日まで放送:全16話)だ。実はドラマを見てからしばらく経っているので、正確なディテールは記憶に残っていないのだが、ドラマの演出が新鮮で、何より離婚した女性の役を演じたソン・イェジンとカン・ウソンの自然な演技と兄弟役のイ・ハナの図々しい演技に感心したことはまだ記憶に残っている。このドラマは日本の野沢尚の小説「恋愛時代」を脚色したものだ。小説をドラマ化したものを映画監督のハン・ジスンが演出し、彼の妻のノ・ヨンシムが音楽を作った。ドラマの流れと俳優たちの演技がうまく調和して、こんなに繊細なドラマがあるんだ、と感心することが何度もあり、そう感じさせたのは音楽の力も大きかったと思う。今思えば、ソン・イェジンがあんなに若い年齢(当時25歳)で、どうしてあれだけリアルな演技ができたのか感心するばかりだ。このドラマは放送中ではなく、放送終了後、家族全員が集まって一度に一気見をしたのだが、みんながドラマの構成と演出、演技と音楽に感心して分析し、感想を分かち合った記憶がある。

2つ目は、『恋愛時代』から12年経った後に放送されたtvN『マイ・ディアミスター〜私のおじさん〜』(2018年3月21日〜2018年5月17日放送:全16話)だ。このドラマを見るようになったのは、新型コロナ以降、Netflixで韓国ドラマや映画を少しずつ見始めたからだ。放送当時も好評ですすめられことはあったが、その当時の10年間、映画は楽しんでいたのだけれど、ドラマというジャンルをほとんど見ていなかった。『恋愛時代』以降、それほど記憶に残るドラマがなかったせいもあるけれど、実は私はテレビを視聴すること自体があまり多くない方で、2000年代後半から現在までが最もそうだった。 そんな中、OTTサービスを通じて見ることになった『私のおじさん』は、私が思っていた、もしかしたら考えもしなかった内容だった。この記事で内容を全て紹介することは無理があるので、皆さんにも機会があれば視聴してほしいと思い、私が印象的だった部分を書いてみる。作家は主人公の様々な困難な状況と背景、そして周囲の人物との関係を描写すると同時に、とても深い人生に対する洞察力と視線で、世の中に存在する不快で暗い部分を扱いながらも、温かい希望も捨てない、それでいて分かりやすい展開と様々な設定のおかげで、このドラマに深く入り込むことができた。また、主人公が普段知っている歌手IUではなく、演技者イ・ジウンとしてとても良い演技を見せたからであり、ある程度いつも似た印象の演技をしていたイ・ソンギュンがもう一度、より良い演技をして、飛躍する姿を見せたからだと思う。 その他、ソン・セビョク(イ・ソンギュン演じるパク・ドンフンの弟パク・ギフン役)の演技が特に記憶に残り、他の俳優たちも素晴らしい呼吸を見せ、省察のあるドラマの流れに没頭することができた。登場人物の行動から推測できる内容が全てではなく、すべてのキャラクターの内面を一緒に見せながら、共感できるように執筆した脚本家パク・ヘヨンの能力に感心せずにはいられなかった。

3つ目は、JTBC『私の解放日記』(2022年4月9日〜2022年5月29日放送:全16話)だ。『私の解放日誌』を知ったのは、『私のおじさん』を上記のように感心しながら見ていた、まだコロナが流行していた昨年の初めだった。その時の私は個人的に自分の内面的な省察を本格的に始めて2年ほど経った頃だった。脚本家パク・ヘヨンの新作が放送されると聞いて期待しながら、先に紹介した2つの作品と違って一回一回放送と同時に本放送を視聴した。わあ! と感嘆せざるを得ない瞬間がたくさん思い浮かぶ。平凡に見えるが、ドラマの流れのためにキャラクターそれぞれの個性が変化するのではなく、まるで実際私たちが住んでいる世界で、人々の性格がそう簡単には変わらないように、また長い時間の中で妥当な変化を見せるように、「やっぱり!」と感心させる作家の人物に対する洞察力に驚かざるを得なかった。主人公たちの特別な出会いを通して見せるメッセージももちろんだが、特に印象的だったのは、完成度の高いキャラクター設定とそれをうまく表現した俳優たちの演技だ。中でも特にイ・ミンギの立体的なキャラクターの演技が記憶に残る。ドラマの序盤は、私たちの周りのどこにでもある、適度に平凡で、また望むものがあり、欲望のある姿で登場した後、いくつかの小さなきっかけが彼の人生に触れると、全く違う姿で、しかし、蓋然性のある彼がすでに持っていた材料と力で、非常に違う人物として成長する脚本と演出、そして俳優の演技がとても印象的で、共感を覚えた。このドラマを通じてブレイクを果たしたソン・ソックは、現在最も人気があり、素晴らしい俳優としてスターの仲間入りを果たし、現在も多くの映画や広告、インタビューなどに出演し、素敵な姿を見せている。

 

最後にMBC『春の夜』(2019年5月22日〜2019年7月11日放送:全32話)をおすすめする。放送の時期は『私の解放日誌』よりも早いが、この記事を書いている時点で、私が最も最近見た作品で、韓国のドラマについて私情を込めて紹介したいという欲求を呼び起こした作品の中の最後のドラマだ。前述したように、私はテレビをあまり見ないため、実際の放送時期にこのドラマの存在を知らなかったのだが、最近映画を一本見ようと思い、チョン・ヘイン、キム・ゴウン主演の「ユ・ヨルの音楽アルバム(2019)」を見ることにした。二人の俳優のみずみずしく、かつパワフルな愛を描いた繊細な演技に感心し、チョン・ヘインがこんなに演技が上手い俳優だったなんて!と感心していた頃に、アルゴリズムが私を彼のドラマに導いた。そうして見始めた『春の夜』はドラマだが、やはり映画のような感じがした。韓国ドラマはほとんどが韓国語のOST(オリジナルサウンドトラック)を好み、また人気を集めるものだが、このドラマの楽曲はそれとは違う選択で、クラシックなオールドポップの雰囲気を漂わせる5曲のテーマ曲でが、ドラマの中で時折映画の雰囲気を出してていた。このドラマは、脚本家パク・ヘヨンの『私のおじさん』『私の解放日記』が少し切ないほど人間の深い内面に入り込んでいたのとは違う方法で、人生に対する丸い考察と愛、そして日常をある程度の距離感を持って穏やかに扱っている。このドラマでもチョン・ヘインが演技が上手な俳優だと感じ、ドラマのタイトルである「春の夜」を全体的なドラマのトーンを通して感じながら、観賞を終えた。

まとめながら考えてみると今回私が挙げた4つのドラマは、すべての主人公の様々な周囲の状況は厳しいけれど、自我が強いキャラクターで本人が望む方向にうまく乗り越えていく姿を深く扱った作品だと思う。 人生に対する作家たちの考察が盛り込まれた堅実な脚本と、それを見事に生かす俳優たちの心と努力がよく伝わり、そのことが、人々が韓国ドラマをますます愛するようになる最も基本的でありながら核心だと思う。ユ・ジェソクとチョ・セホが司会進行をしている「ユ・クイズ・オン・ザ・ブロック」というトークバラエティ番組で、俳優キム・ヘジャが「昔は作家たちが主人公だけをよく書いてていて、脇役は大雑把に書いていたので、私は主人公だけを演じた」と言っていたことが記憶に残っているが、最近のドラマは確かにそうではなく、私の好みはもっとそうだ。主人公と物語を強調するための周辺の人物の省略と誇張は許されず、主人公と一緒に生きている大小の登場人物のすべての役割一つ一つがうまく生きるときにこそ、作家が最終的に伝えたい核心に近づくことができて、それこそが自分が伝えたいこと、そしてそれを演じる俳優、またそのアンサンブルを受け入れ、どんなメッセージであれ、それぞれの人生に少しでも当てはめてみる機会を持つ視聴者全員を尊重する態度となるだろう。

これからも、もっともっと良い作品に出会い感嘆し、感動する日が、多くの人に訪れますように。

 

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영어로는 ‘시리즈’ 한국에서는 ‘드라마’ 또는 ‘연속극’이라고 불리는 한국의 드라마는 일종의 콩글리시(Korea+English)로 연속해서 극이 방영되는 것이기에 연속극이 더 맞는 표현 같지만 언젠가부터 불러온 흔한 명칭은 드라마이다. 한국에서 연속극은 아주 오래전부터 인기가 있었다. 지금은 유튜브, 다양한 OTT 채널 등 방송국도 매체도 전과 비교할 수 없을 정도로 다양해졌다. 내가 초등학생이던 한국의 1990년대는 많은 사람들이 입을 모아 한국 대중문화의 꽃이 피던 시기라고 이야기한다. 그 시대를 대표하는 아이콘으로 대개 현진영, 서태지를 꼽았고 김건모, 신승훈 같은 대표적인 발라드 가수들도 오랜 시간에 걸쳐 많은 사랑을 받았다. 1990년대 말에서 2000년대 들어서면서 성시경이나 브라운아이즈(현 브라운아이드소울), 드렁큰 타이거, 다이나믹 듀오 같은 발라드, R&B, 힙합 등 다양한 장르가 사랑받았으며 그 외 H.O.T, SES, 핑클, 젝스 키스, 지오디 등 1세대 보이그룹, 걸그룹 등이 대단한 팬덤을 형성하고 인기를 끌었다. 그 시절부터 지금까지 거의 20여 년 동안 수많은 아이돌의 탄생과 세대교체가 있었고 현재는 4세대라고 불리는 걸그룹이 크게 활약하고 있다. 여기서 알고 넘어가야 하는 것은 아이돌만 세대교체를 이룬 것이 아니라 아이돌을 좋아하던 청소년 또는 젊은 사람들도 시간이 지나서 지금은 3-40대 혹은 50대 성인이 되었고 지금 아이돌을 하고 싶어 하는 어린 연습생들의 부모 세대가 되었기에 더 적극적인 지원과 이해가 이뤄지고 있다는 것과 그 지원에 힘을 얻어 점점 더 타고난 능력의, 또한 많은 준비가 된 연습생들이 늘어나게 되었다는 것이 하나의 뚜렷한 환경 변화다.

 

초등학교 때부터 월화, 수목, 주말 등으로 매주 드라마가 방영하는 시기에 따라 분류된 시리즈가 각자 인기가 있었고 16부작의 경우 미니시리즈라는 이름으로 방영이 됐다. 그냥 부르기 편하고 ‘드라마’라고 통칭했지만 재미있는 시리즈가 미니시리즈라면 회 차를 거듭할수록 아쉬워했던 기억이 있다. 몇 가지 정말 인기 있는 드라마가 방영할 때면 거리에 사람이 없다고 할 정도로 당시 드라마의 인기가 굉장했는데 시청률이 지금과 같이 채널이 많아진 이후와 다르게 50%에 육박하는 드라마 들도 있던 것으로 기억한다. 이와 유사한 현상은 대중음악 음반 판매량의 추이 와도 비슷하다고 볼 수 있는데 앨범 판매량 즉, CD를 기준으로 100만장이 인기의 척도 이자 가수로서 성공의 판명 기준이라고 할 수 있었던 90년대를 지나서 현재는 CD를 이용한 오프라인 음악감상 보다는 디지털 파일을 활용한 감상이 추세이기 때문에 가수들도 싱글 앨범이나 디지컬 앨범을 메인으로 정규앨범 이전에 1, 2 곡 정도를 실험적으로 출시하는 경우가 더 많다. 굳이 비교점을 찾기 위해 한국의 대중음악도 어느 정도 언급을 했지만 사실 내가 재미있게 봤던 한국의 드라마에 대해 좀 더 이야기 해보려고 한다.

한국에서 드라마의 역할

본론으로 돌아가 앞서 이야기한 대중가요와 드라마를 비교하는 하나의 비유를 들어보자면 한국에서 대중가요의 인기는 시기와 대상을 정확히 기억할 만큼 명확한 대상이 있는 청소년들의 친구 같은 존재라고 표현할 수 있다면, 내 기억 속 드라마, 연속극은 조금 더 은은하고 삶의 한 부분과 같은 마치 가족 같은 존재가 아닌가 생각해봤다.
사실 이런 비유를 떠올려 본 적은 없었는데 이번에 사람들과 대중음악, 그리고 드라마의 관계성에 대해 생각해 보니 드라마와 대중의 관계가 조금 더 가족적이라는 생각이 드는 것은 확실하다. 내 경험에 비춰보면 어렸을 때 부모님, 오빠와 함께 드라마를 시청했던 기억이 많은데 대표적으로 기억나는 작품은 일요일 아침이면 방영했던 <MBC 한 지붕 세 가족>: (1986. 11. 09. ~ 1994. 11. 13.) 서울을 배경으로, 말 그대로 한 지붕 아래 세 가족이 모여사는 한국 서민들의 주거 형태인 ‘다세대 주택’을 배경으로 이웃들이 서로 갈등하고 화해하면서 다소 평범하지만 따듯하게 살아가는 이야기를 담은 코믹 터치의 드라마다. 8년 동안 방영한 이 드라마는 남녀노소 전 세대를 아우를 만한 소재이자 이야기로 가득했고 이러한 가족적 공감 정서를 기반으로 큰 인기를 끌 수 있었다. 또 다른 기억에 남는 작품은 <KBS2 목욕탕집 남자들>(1995.11.18. ~ 1996.09.01. 83부작)이다. 현재도 활발히 활동하시는 원로 배우인 이순재 배우와 강부자 배우가 부부 역할로 출연하는데 그 부부가 30여 년간 대중목욕탕을 운영하면서 딸 셋에 아들 하나를 키우고 그들이 또 결혼해 벌어지는 이야기다. 각 캐릭터의 다른 세계관에서 그럼에도 동시대를 사는 사회 안에서, 벌어지는 사람들의 관계와 상황을 연출한 작품으로 지금 보면 굉장히 가부장적이고 요즘 시대와 굉장히 다른 면모를 찾을 수 있다. 방영 당시에는 크게 느끼지 못했던 우리 사회의 모습이 그대로 담겨있어 신기한 부분도 있다. 두 작품 모두 그 시대를 반영한 서민 또는 중산층의 삶과 다양한 가족의 형태와 대가족 안에서 생기는 인간관계 같은 것을 재밌는 에피소드와 함께 그렸고 이런 드라마들이 인기를 끌 수 있었던 배경에는 함께하는 여러 가족이 가깝게 지내며 생기는 때로는 기쁘고 또 곤란해지기도 하는 에피소드가 드라마를 시청자들로 하여금 공감대를 만들었다는 점, 그리고 그 공감대를 또 함께 즐길 가족들 모두가 각자의 눈 높이로 시청할 수 있는 대 가족 안의 넓은 스펙트럼의 세대들이 출연하는 가족 드라마였기 때문일 것이다. <목욕탕집 남자들>은 유명한 극 작가(김수현)와 프로듀서(정을영)의 만남이기도 했지만 이순재, 고두심, 윤여정, 김희선 배우 등 지금 현재도 활약하고 인기가 있는 배우도 많이 출연해 당시 인기가 상당하였던 것으로 기억한다.

또 하나, 예전 한국 드라마를 생각하면 가족적인 느낌을 떠오르게 하는 것은 그때는 지금처럼 TV 또는 TV를 대신해 역할을 할 수 있는 모든 전자기기가 흔하지 않은 시대였기 때문에 하나 또는 두 개의 채널을 가족 구성원 모두가 공감하고 공유할 수 있는 문화가 뚜렷했던 것을 회상한다. 매체의 종류와 개체가 다양한 지금에 이런 부분은 약화되거나 사라졌지만 1990년대 당시에는 이런 물리적 요소와 정서적 요소가 합쳐져 드라마는 가족의 코드가 함께 움직이는 장르였던 것임은 확실하다. 앞서 이야기한 한두 개의 대표적 예시로 또 나 개인의 주관으로 한국 드라마와 문화 전체를 이야기할 수는 없겠지만 나의 경험으로 미루어 가늠해 보는 것이다.

추천하는 한국 드라마

어렸을 때 가족들하고 자연스럽게 보던 연속극이 아닌 내가 성장해서 의지를 가지고 보고 또 가장 좋아하는 드라마로 첫 번째로 손에 꼽았던 작품은 <SBS 연애시대>(2006.04.03. ~ 2006.05.23. 방영 / 16부작)이다. 사실 본지 좀 되어서 아주 정확한 디테일은 기억에 안 남아 있지만 드라마의 연출이 신선하고 무엇보다 이혼한 여자의 역할을 했던 손예진 배우와 감우성 배우의 자연스러운 연기와 동생 역할을 했던 이하나 배우의 능청스러운 연기에 감탄한 것은 아직도 기억에 남는다. 이 드라마는 일본의 노자와 히사시의 소설 <연애시대>를 각색한 것으로 알고 있다. 소설을 드라마로 각색한 것을 영화감독(한지승)이 연출하고 그의 아내 노영심이 음악을 만들었다. 극의 흐름이나 배우들의 연기가 잘 어우러져 이렇게 섬세한 드라마가 다 있구나 하고 감탄 하기를 여러 번, 그렇게 느끼게 한 것은 영화음악의 힘도 대단했다고 생각한다. 지금 생각해 보면 손예진 배우가 그렇게 어린 나이(당시 만 25세) 에 어떻게 그런 실감 나는 연기가 가능했는지 감탄할 뿐이다. 이 드라마는 방영 중이 아닌 종영 후 온 가족이 둘러앉아 한 번에 몰아 보기를 했었는데 모두가 드라마의 구성과 연출, 연기와 음악에 감탄하며 분석하고 느낌을 나눴던 기억이 있다.

두 번째는 무려 12년이 지난 후 방영된 <tvN 나의 아저씨>(2018.03.21. ~ 2018.05.17. 방영 / 16부작)다. 이 드라마를 보게 된 것은 코로나 이후 넷플릭스로 한국 드라마와 영화들을 차근차근 보기 시작했기 때문이다. 방영 당시에도 호평받고 추천도 받은 적이 있었지만 사실 10여 년간 영화는 즐겨 봤어도 드라마라는 장르를 거의 보지 않았다. 연애 시대 이후 그렇게까지 기억에 남는 드라마가 없어서 이기도 했지만 사실 나는 TV 시청 자체가 많은 편은 아니며 2000년대 후반부터 현재까지 가장 그랬다. 그러다가 OTT 서비스를 통해 보게 된 나의 아저씨는 내가 생각했던, 어쩌면 생각조차 하지 못했던 내용이었다. 이 글에서 내용을 소개하기에는 무리가 있으니 기회가 된다면 시청하시기를 바라며 내가 인상 깊었던 부분을 적어본다. 작가는 주인공의 여러모로 어려운 상황과 배경 그리고 주변 인물들과의 관계를 묘사함과 동시에 아주 깊은 삶에 대한 통찰력과 깊이 있는 시선으로 세상에 존재하는 불편하고 어두운 부분을 다루면서도 따듯한 희망도 버리지 않는, 그러면서도 뻔하지 않은 전개와 여러 설정들이 이 드라마에 깊이 빠지도록 만들어줬다. 그 역할은 평소에 알던 가수 아이유가 아닌 연기자 이지은이 아주 좋은 연기를 보여줬기 때문이며 어느 정도 늘 비슷한 듯 괜찮은 연기를 했던 이선균 배우가 한 번 더 더 좋은 연기로서 도약하는 모습을 보여줬기 때문이라고 생각이 든다. 그 외 송새벽 배우의 연기가 특히 기억에 남고 다른 연기자들도 훌륭한 호흡을 보여줘 성찰이 있는 극의 흐름에 몰입을 더할 수 있었다. 보통의 드라마에서 인물들의 행동을 통해 미루어 짐작할 수 있는 내용이 전부가 아닌 모든 캐릭터 들의 내면을 함께 들여다보고 공감할 수 있도록 집필한 박해영 작가의 역량에 감탄하지 않을 수 없었다.

세 번째는 <JTBC 나의 해방일지>(2022.04.09. ~ 2022.05.29. 16부작)이다. 나의 해방일지에 대해 알게 된 건 <나의 아저씨>를 위에서 이야기한 바와 같이 감탄하면서 본 지 아주 오래 지나지 않아서 코로나가 아직 기승을 부리던 작년 초였다. 그 당시에 나는 개인적으로 내면 성찰을 본격적으로 시작해 2년 정도 접어들 때였다. 박해영 작가의 신작이 방영한다는 소식을 듣고 기대를 하면서 앞서 소개한 두 작품과 달리 한 회 한 회 방영과 동시에 본 방송을 시청하였다. 와아! 하고 감탄하지 않을 수 없는 순간들이 많이 떠오른다. 평범한 듯하지만 극의 흐름을 위해 각자의 개성이 변화하는 것이 아닌 마치 실제 우리가 사는 세상에서 사람들이 쉽게 성격이 변하지 않는 것처럼, 또는 그 안에서 오랜 시간에 타당하게 변화하는 것을 그래도 보여주는 것과 같이 “역시!” 하고 감탄하게 하는 작가의 통찰력에 놀라지 않을 수 없었다. 주인공들을 특별한 만남을 통해 보여주는 메시지도 물론이지만 특히 인상 깊었던 것은 역시 주변 사람들의 완성도 있는 캐릭터 설정과 그것을 잘 표현한 배우들의 연기다. 그중에서도 특히 이민기 배우의 입체적 캐릭터 연기가 기억에 남는다. 극 초반 부에는 우리 주변 어디에나 흔한 그저 적당히 평범하고 또 바라는 것이 있어 욕망하는 인간의 모습으로 등장하다가 어떤 작은 계기들이 그의 삶과 맞닿아 전혀 다른 모습으로, 그러나 개연성이 있는 그가 이미 가지고 있던 재료와 힘으로 굉장히 다른 인물로 성장하는 극본과 연출 그리고 배우의 연기가 아주 인상 깊고 공감이 많이 갔다. 이 드라마를 통해 손석구 배우는 현재 가장 인기 많고 멋진 배우로 스타의 반열에 올랐고 현재도 많은 영화와 광고, 인터뷰 등에 출연하며 멋진 모습을 보여주고 있다.

마지막으로 MBC 봄밤(2019.05.22. ~ 2019.07.11. 32부작)을 추천한다. 방영 시기는 <나의 해방일지>보다 빠르지만 이 글을 쓰는 시점을 기준으로 가장 최근에 본 작품이며 한국의 드라마에 대해 사심을 담아 소개하고 싶은 욕구를 불러온 리스트의 마지막 드라마다. 앞서 말했듯 TV를 잘 보지 않는 덕에 실제 방영 시기에는 존재를 몰랐다가 최근 영화를 한 편 보려고 정해인, 김고은 배우 주연의 <유열의 음악앨범(2019)>를 보게 되었다. 두 배우의 풋풋하고도 강력한 사랑을 그린 섬세한 연기에 감탄하고 정해인 배우가 이토록 연기를 잘하는 배우였다니!라고 생각할 즈음 알고리즘은 나를 그의 드라마로 이끌었다. 그렇게 보기 시작한 <봄밤>은 드라마지만 역시 영화 같은 느낌을 주는데 한국 드라마에서 거의 한국어로 된 OST를 선호하고 또 인기를 끄는 것과 다른 선택으로 클래식한 올드팝의 느낌을 물씬 풍기는 5곡의 테마곡으로 드라마 안에서 이따금 영화의 분위기를 낸다. 이 드라마는 박해영 작가의 <나의 아저씨> 또는 <나의 해방일지>가 조금은 처절할 만큼 인간의 깊은 내면으로 들어갔다면 그것과는 다른 방식으로 삶에 대한 둥근 성찰과 사랑 그리고 일상을 어느 정도의 거리감을 가지고 잔잔하게 다루고 있다. 이 드라마에서도 정해인이 연기를 잘하는 배우라는 것을 되새기며 극의 제목 봄밤을 전체적인 드라마의 톤을 통해서 느끼게 되며 끝이 난다.

이번에 정리하면서 생각해 보니 내가 꼽은 네 편의 드라마 모두 주인공이 여러 가지 주변 상황은 녹록지 않지만 자아가 강한 캐릭터로 본인이 원하는 방향으로 잘 헤쳐나가는 모습을 깊이 있게 다룬 작품들이라는 생각이 든다. 삶에 대한 작가들의 성찰이 담긴 탄탄한 극본과 그것을 대단하게 살리는 여러 배우들의 마음과 노력이 잘 전해지고 그것이 사람들이 한국 드라마를 점점 더 사랑하게 되는 가장 기본이면서도 핵심이라고 생각한다. 지난번 유재석 조세호가 진행하는 유 퀴즈 온 더 블록 이라는 예능 프로그램에 김혜자 배우가 나와서 “예전엔 작가들이 주인공만 잘 써주고 조연들은 대충 쓰고 그랬다 그래서 난 주인공만 했다.”라고 말씀하시는 것이 기억에 남았는데 요즘 드라마들은 확실히 그렇지가 않고 나의 선호도는 더욱 그러하다. 주인공과 이야기의 강조를 위한 주변 생략과 과장은 용납할 수 없고 주인공과 더불어 살고 있는 크고 작은 등장인물의 모든 역할 하나하나가 잘 살아날 때 작가가 궁극적으로 말하고자 하는 핵심에 더 가깝게 갈 수 있으며 그것이야말로 본인이 말하고자 하는 바, 그리고 그것을 연기하는 배우, 또 그 앙상블을 받아들이며 어떤 메시지 이든 각자의 삶에 잠시나마 대입해 보는 기회를 가지는 시청자 모두를 존중하는 태도일 것이다. 앞으로도 더 많은 좋은 작품들로 감탄하고 감동하는 날들이, 사람들이 많아졌으면 하는 바람이다.

ソ・ダソム

서다솜
ソ・ダソム
1984年12月生まれ。
視覚芸術家

2007年3月 梨花女子大学 造形芸術大学 陶磁芸術専攻学士
2013年3月 ベルリン フンボルト大学交換留学生
2014年8月 梨花女子大学教員養成大学 教育大学院美術教育専攻修士

<経歴と活動>
2017年
・メキシコ メキシコシティにて
クラトインベルティド レジデンス入居作家(韓国文化芸術委員会後援)
・香港・Kong Galleryにて
ワークショップ “A Hundred Moons”

2018年
・韓国 光州 5.18記念文化センターにて
5.18記念文化財団 国際学術大会発表者「民衆美術,失敗で定義できない多衆の力」
・韓国 光州 アジア文化財団
ACC創作空間ネットワーク フィリピンパビリオンコーディネーター
・韓国 光州 ホットハウスにて
2018光州ビエンナーレ フィリピンパビリオン コーディネーター
・ノルウェー、スウェーデン、デンマークにて
北ヨーロッパ招待リサーチ(OCA ダニッシュアートカウンシル後援)

2019年
・韓国 光州にて
光州ビエンナーレパブリックリサーチプログラム 参加作家
ワークショップ “A Locality Observation in Gwangju”
ワークショップ “手にしたものはなんですか?”

2020年
・韓国 光州 ポボ食堂にて
ワークショップ “山のお菓子”
3人展「先に言う招待の言葉」企画、参加作家
団体展 “Amoeba” 参加作家

2021年
・韓国 釜山 芸術地球Pにて
個人展「失礼します、この近所にもしかして花屋さんはありますか?」
釜山 芸術地球Pレジデンス 入居作家

2022年
・韓国 光州 ヘユムにて
個人展「生きること、食べること、寝ること」
光州文化財団地域文化芸術特性化支援事業支援作家
・イタリア ベニス Spazio Berlendisにて
光州ビエンナーレ 5.18ベニス特別展示「花の咲く方へ」参加作家